葛飾北斎
かつしかほくさい

布袋図
ほていず

文化中期（1807～13）頃、紙本墨画淡彩、一面（扇面）、［永田コレクション］

Katsushika Hokusai
Hotei on his cloth sack
[Nagata Seiji collection]

七福神の布袋が、ふかふかのソファのような大きな袋に、全身を預けて寛いでいます。ぼんやりと上を見つめながら足をぶらぶらと揺らしているようであり、柔らかそうな太鼓腹を突き出す様は、何とも福々しい。上を向く布袋の面貌を斜め下の角度から正確に捉えるなど、随所に北斎の確かなデッサン力を看取でき、北斎壮年期における扇面画の優品といえるでしょう。