柳亭種彦 葛飾北斎 『阿波之鳴門』

柳亭種彦・作 葛飾北斎・画
りゅうていたねひこ かつしかほくさい

『阿波之鳴門』
あわのなると

文化五年(1808)、半紙本、六冊、[永田コレクション]

Ryūtei Tanehiko (author) Katsushika Hokusai (artist)
Naruto in Awa province (Awa no Naruto)
[Nagata Seiji collection]

北斎と親交が深い柳亭種彦の初期の読本で、近松半二の浄瑠璃「傾城阿波の鳴門」などを下敷きに創作されました。物語は、波乱に満ちたヒロイン・弓子が怨鬼となり、阿波の鳴門で仇討ちを果たすまでを描いています。図は、賊にさらわれて廓に売られた弓子を鬼老婆・塩木が焼火箸で折檻しようとする場面。左へ逃れようとする弓子の動勢を、背景にたなびく薄墨の煙が強めています。

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