歌川広重
うたがわひろしげ
名所江戸百景 亀戸梅屋舖
めいしょえどひゃっけい かめいどうめやしき
安政四年(1857)、大判錦絵、[新庄コレクション]
Utagawa Hiroshige
The series One hundred famous views of Edo (Meisho edo hyakkei) : Plum garden in Kameido
[Shinjō Jirō collection]
広重が最晩年に取り組んだ「名所江戸百景」は、江戸の名所をテーマとした全120図(目録1図を含む)から成る壮大な揃物です。本作品はその中の一つで、梅の名所であった亀戸天神裏の庭園・清香庵を描いたもの。名木「臥龍梅」の幹枝越しに園内を望む構図が、手前から奥への距離感を創出し、さらに黒々とした幹枝の色合いが、奥の梅見客を包む暖かい光の印象を強めています。こうした斬新な構図は19世紀の西洋の画家たちに鮮烈な印象を与えました。