歌川広重
うたがわひろしげ
(枇杷に小鳥)
(びわにことり)
天保(1830~44)前期、大短冊判錦絵、[新庄コレクション]
Utagawa Hiroshige
Loquat and little bird
[Shinjō Jirō collection]
背景を藍摺として小鳥と枇杷を白く抜いており、その鮮やかなコントラストが美しい一図。約30種知られる広重の大短冊判花鳥画の中で唯一の藍摺絵の作品です。当初は若林堂(若狭屋与市)が出版しましたが、後に喜鶴堂(佐野屋喜兵衛)へ版権が移ったらしく、喜鶴堂版が多く伝存しています。新庄コレクション本は希少な若林堂版(初摺)で、1971年に新庄二郎がロンドンの古書店で入手しました。