鳥文斎栄之
ちょうぶんさいえいし
(孔雀船奏楽之図)
(くじゃくぶねそうがくのず)
寛政期(1789~1801)頃、大判錦絵三枚続、[新庄コレクション]
Chōbunsai Eishi
Musical performance on the boat like a peacock
[Shinjō Jirō collection]
栄之は旗本出身という浮世絵師としては珍しい出自の持ち主です。細く流麗な線でとらえた上品な女性像は栄之独特の美人画として人気を得て、同時期の歌麿と拮抗する活躍を見せました。本作品は古代に行われた龍頭鷁首船上の管弦遊びを、当世風にアレンジしたもので、七人の遊女が鞨鼓、笙、龍笛、箏、火焔太鼓、篳篥といった雅楽器を奏でています。船上の七人の遊女には、宝船の七福神のイメージも重ねられているのでしょう。
読み方:龍頭鷁首=りょうとうげきす/鞨鼓=かっこ/笙=しょう/箏=そう/篳篥=ひちりき