歌川広重
うたがわひろしげ
(楓に鸚哥)(桔梗に川蝉)(風車に文鳥)
(かえでにいんこ)(ききょうにかわせみ)(かざぐるまにぶんちょう)
天保(1830~44)前期、大三つ切判錦絵(三丁掛)、[新庄コレクション]
Utagawa Hiroshige
Maple and parakeet, Bellflower and kingfisher, Clematis and meadow finch
[Shinjō Jirō collection]
大判(約39×26.5cm)を横に3つに裁断した、三つ切判と呼ばれる版型の花鳥画で、この3点は当初未裁断(三丁掛)で伝存した貴重な作例です。そのことは(桔梗に川蝉)の桔梗の花弁の一部が、(楓に鸚哥)の右下に繋がっていることからも分かります。新庄コレクションには、他にも同じ判型の花鳥画が2点あり、いずれも背景を黄潰しとし、丁寧な彫りや摺りが施されています。数ある広重花鳥画の中で、三つ切判花鳥画は現在9点が確認される程度で、遺存例が少ないことが知られています。