遊女歌仙図

絵師不詳

遊女歌仙図
ゆうじょかせんず

寛文期(1661~73)頃、絹本着色、一幅、[新庄コレクション]

Artist unknown
A Courtesan, said to be Courtesan Kasen
[Shinjō Jirō collection]

寛文期(1661〜73)を中心に、遊女や若衆の立ち姿のみを描いた「寛文美人図」が盛んに描かれました。その多くは特定の遊女らがモデルでしたが、その像主の名はほとんどが不明です。本作品は珍しく、画中の定紋や署名から、島原の遊郭梅村家の遊女・歌仙の姿と考証されています。図上には、男の浮気心に釘を刺すように、「ちきるとて余所にこゝろのあるへきか 君ならすしてたれおたのまん(君ならずして誰を頼まん)」と歌仙自筆の賛が添えられており、歌仙が特別な関係の馴染み客へ贈ったものと想像されます。
読み方:寛文美人図=かんぶんびじんず/余所=よそ

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