葛飾北斎 百人一首姥か衛登喜 壬生忠見 版下絵

葛飾北斎
かつしかほくさい

百人一首姥か衛登喜 壬生忠見(版下絵)
ひゃくにんいっしゅうばがえとき みぶのただみ(はんしたえ)

天保六年(1835)頃、紙本墨画、[永田コレクション・府川家資料]

Katsushika Hokusai
Drawing (hanshita-e) for Mibu no Tadami, from The series One hundred poems explained by a nurse (Hyakuninisshu Ubaga Etoki)
[Nagata Seiji collection]

北斎晩年の錦絵揃物「百人一首うばがゑとき」の版下絵です。版下絵とは、版画制作のための肉筆原画で、この下絵を用いて板木(主板)が制作されます。従って、出版された錦絵の場合には版下絵が遺ることはなく、遺存数は極めて少ないものです。浮世絵師の描線を直接看取でき、また錦絵の制作過程を窺い知る上でも、貴重な作品・資料といえます。 「百人一首うばがゑとき」は100図の内27図を版行して中断され、現在63の版下絵が遺存しています。永田コレクションの2図は北斎晩年の弟子・府川一則の家に伝来したもので、他にフリーア美術館、大英博物館、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館など、世界中の美術館等に収蔵されています。
読み方:主板=おもはん

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