葛飾北斎 生首図

葛飾北斎
かつしかほくさい

生首図
なまくびず

文化中期(1810~14)頃、紙本墨画淡彩、一面(扇面)、[永田コレクション]

Katsushika Hokusai
Severed head
[Nagata Seiji collection]

打ち首による生首でしょうか、歯を食いしばり白目をむく面貌は実に生々しい。北斎筆とされる生首図は数点知られていますが、西洋の描法が特に強く意識された作品です。墨とわずかな色の面だけで明暗や立体感を捉える点に、西洋画法の研鑽を窺わせます。ちなみに本作品が制作された戴斗期(数え51歳~60歳頃)に、北斎が油彩画の展覧をした案内状が、かつて残されていたことが知られています。
読み方:戴斗=たいと

一覧へ戻る