葛飾北斎 人を待つ美人図

葛飾北斎
かつしかほくさい

人を待つ美人図
ひとをまつびじんず

寛政末期(1797~1801)頃、紙本着色、一幅、[永田コレクション]

Katsushika Hokusai
Woman waiting for someone
[Nagata Seiji collection]

秋田の旧家に伝来した淡彩の美人図。画面上部には江戸の俳人白寿坊の画賛-「弾き倦て 月よりも人 待宵か」が書かれています。蒸し暑い夏の宵、三味線を弾き疲れた芸妓が、待ち人が来るまでの間、何か想いをめぐらしている態でしょう。その横顔を熟視すれば、まぶたの上のわずかな膨らみ、瞳の光、口角を少し上げた唇も繊細に描かれています。簡潔な筆致ですが、女性のくつろいだ表情が見事に捉えられています。
読み方:白寿坊=はくじゅぼう/倦=あい

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