葛飾北斎
かつしかほくさい
なまこ図
なまこず
文化末~文政初期(1814~19)頃、紙本着色、一本(扇)、[永田コレクション]
Katsushika Hokusai
Sea cucumbers
[Nagata Seiji collection]
二匹のなまこを骨付きの扇に直接描いています。北斎の戴斗期(数え51歳~60歳頃)は扇面画の作例が多くなり、中に西洋風の描法を用いたものがあります。例えば本作品や《生首図》はその典型的な作例で、輪郭線をほとんど用いず、対象を面で処理する点が特徴です。北斎は微妙な色の混用と白い点苔で、なまこのぬるりとした質感や立体感を見事に描出しています。
読み方:戴斗=たいと/点苔=てんたい