葛飾北斎
かつしかほくさい
小野小町図
おののこまちず
寛政末期(1797~1801)頃、紙本着色、一幅、[永田コレクション]
Katsushika Hokusai
Ono no Komachi
[Nagata Seiji collection]
小野小町は六歌仙の一人に数えられる歌人です。絶世の美女との伝承から江戸時代には「小町」は美女の代名詞として定着し、謡曲で知られた七小町は盛んに美人画の揃物(シリーズ)名にも用いられました。北斎40歳代初頭の作と考証されるこの作品では、小町は可憐な少女のようであり、その瓜実顔で楚々とした面貌は、北斎が当該期に人気を得た「宗理風」美人像の特徴をよく示しています。