小林清親 九段坂五月夜

小林清親 ≪九段坂五月夜≫

清親の好きな大阪の人
「いつか上京して第一ホテルから数寄屋橋の方へ歩いた時、偶然に浮世絵の老舗酒井好古堂を見つけて入った。主人が親切に歌麿や北斎、広重等出して説明してくれた。(中略)しかし私は清親だけ4枚買った。好古堂では余程変に思ったのだろう「あなたですね、清親の好きな大阪の人は。東京でも清親はあまり売れないのに最近大阪で清親ばかり集める人が出て、このごろ4、5割方値上がりしました」という。私はあいた口がふさがらなかった。浮世絵の世界はそれ程狭いものである。」(「山陰中央新報寄稿文」より)
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