小林清親 日本橋夜

小林清親 ≪日本橋夜≫

夢ばかり追っていた学生の頃
「(昭和25年頃)或る日古本市で私は清親の版画東京風景の一枚を千円余りで買って、書斎にかけてながめていると、夢ばかり追っていた学生の頃を想い出した。私が卒業したのは大正12年春で関東大震災の前で、東京はこの清親の風景によく似て居り、明治のよき姿がそのまま残っていた。又江戸っ子の人情もあつかった、それからは清親に魅せられ次々と集めたが、当時は未だ安く良質のものが集まった。」(「私と浮世絵」より)
作品情報・解説