葛飾北斎 鼠と小槌図

葛飾北斎
かつしかほくさい

鼠と小槌図
ねずみとこづちず

天保十五年(1844)、紙本着色、一幅、[永田コレクション]

Katsushika Hokusai
Rats and a small mallet
[Nagata Seiji collection]

袋と小槌は大黒天の持物であり、鼠も大黒天の使いとされ、いずれも縁起の良いモティーフです。本作品では、袋は渇筆で一気に描かれ、小槌や房も太い線で描かれています。一方で、鼠たちは輪郭線を抑えて墨や絵の具の濃淡で表されており、鼠の目に白い点を付して瞳の光沢を表すなど、どこか生々しい印象を受けます(関連画像)。北斎の多彩な筆法を堪能できる作品といえるでしょう。
読み方:渇筆=かっぴつ

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