葛飾北斎 冨嶽三十六景 甲州伊沢暁

葛飾北斎
かつしかほくさい

冨嶽三十六景 甲州伊沢暁
ふがくさんじゅうろっけい こうしゅういさわのあかつき

天保初期(1830~34)頃、大判錦絵、[島根県購入分]

Katsushika Hokusai
The series Thirty-six views of Mt.Fuji (Fugaku sanjūrokkei) : Dawn at Isawa, Kai province
[Purchased by Shimane prefecture]

伊沢とは甲州街道の宿場町の一つ石和宿(現在の山梨県笛吹市)のこと。旅人や駕籠舁たちが出発しはじめる早朝の宿場を俯瞰で描いています。富士の稜線付近からうっすらと朱をぼかし上げて、明けゆく空を表し、その一方で宿場にはまだ夜の闇の余韻を残しています。題名に「暁」とあるように、北斎の関心は早朝の微妙な光の変化に向けられています。
読み方:駕籠舁=かごかき/俯瞰=ふかん

 
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