Ryūtei Tanehiko (author) Katsushika Hokusai (artist)
Naruto in Awa Province (Awa no Naruto)
北斎と親交が深い柳亭種彦の初期の読本で、近松半二の浄瑠璃「傾城阿波の鳴門」などを下敷きに創作されました。物語は、波乱に満ちたヒロイン・弓子が怨鬼となり、阿波の鳴門で仇討ちを果たすまでを描いています。図は、賊にさらわれて廓に売られた弓子を鬼老婆・塩木が焼火箸で折檻しようとする場面。左へ逃れようとする弓子の動勢を、背景にたなびく薄墨の煙が強めています。
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